データ解説
HLA型の頻度は人種により、大きな偏りがあります。HLAハプロタイプにおいても、連鎖不平衡の状態であり、この偏りは進化的に保存されています。
日本人のHLAに関するデータは、これまでにもいくらかの報告がありますが、HLA-DQB1、HLA-DPB1まで解析している大規模なデータはあまりありません。
HLA研究所のホームページに紹介しているデータは、日本人におけるハプロタイプも含んだHLAデータの解析を試みたものであり、遺伝子疾患との関連や移植医療、人類遺伝学などに役立つことを期待しています。
母集団の選択
- HLA研究所における依頼のうち、日本人家系で、研究の使用許諾を得られた検体を使用。
-
各家系の遺伝から得られるハプロタイプデータのうち、最低でHLA-A,B,DRB1のハプロタイプが確定できるものを基礎データとしました。
この基礎データから、アリル頻度、抗原型頻度も算出しています。
(1家系では最高4アリルまたは、4ハプロタイプの基礎データを採取できる。)
材料・方法
項目 | 内容 |
---|---|
データ採取期間 | 2005年1月〜2024年06月 |
家族数 | 15,253 |
検査方法 | Luminex法 |
統計的処理方法 |
直接カウント法 ※抗原型は、HLA dictionaryのWHOの定義に基づいて遺伝子型を変換しましたが、WHOで定義されていないものについては、expertの定義を採用しています。 |
連鎖不平衡の解析方法 | LD値、RD値 |
結果について
家族数、ハプロタイプ数に関しては、下表をご参照ください。
座位数 | ハプロタイプ組合せ | 家族数 | ハプロタイプ数(n数) |
---|---|---|---|
2 | A-B | 15,253 | 48,946 |
A-C | 11,371 | 36,474 | |
C-B | 11,371 | 36,474 | |
B-DRB1 | 15,253 | 48,946 | |
DRB1-DQB1 | 717 | 2,992 | |
DRB1-DPB1 | 710 | 2,966 | |
DQA1-DQB1 | 768 | 3,072 | |
DQB1-DPB1 | 704 | 2,938 | |
DPA1-DPB1 | 768 | 3,072 | |
3 | A-C-B | 11,371 | 36,474 |
A-B-DRB1 | 15,253 | 48,946 | |
B-DRB1-DQB1 | 717 | 2,992 | |
DRB1-DQB1-DPB1 | 704 | 2,938 | |
4 | A-C-B-DRB1 | 11,371 | 36,474 |
A-B-DRB1-DQB1 | 717 | 2,992 | |
DQA1-DQB1-DPA1-DPB1 | 768 | 3,072 | |
5 | A-C-B-DRB1-DQB1 | 717 | 2,992 |
A-C-B-DRB1-DPB1 | 710 | 2,966 | |
DRB1-DQA1-DQB1-DPA1-DPB1 | 768 | 3,072 | |
6 | A-C-B-DRB1-DQB1-DPB1 | 704 | 2,938 |
8 | A-C-B-DRB1-DQA1-DQB1-DPA1-DPB1 | 768 | 3,072 |