DQ座・DP座が造血幹細胞移植に及ぼす影響
日本での造血幹細胞移植のドナー選択の際には、 HLA-A, B, C, DRB1の4座もしくは HLA-C座を除いた3座を対象としたドナー探索が主に行われています。
DQ座・DP座のマッチ、 ミスマッチの移植成績の影響はあまり報告されてきませんでしたが、 最近では、 DQ座・DP座が移植成績に及ぼす影響が研究されています。
DPB1 ミスマッチが再発に及ぼす影響
DPB1 ミスマッチは急性GVHDを起こすリスクが高いが、再発予防効果があると報告されています。
DRB1-DQB1のマッチングが急性GVHDや生存率に及ぼす影響
各座位における組み換え発生頻度(N=1,542)
組み換え位置の割合から分かるように、 DQB1とDPB1の間で1番多く組み換えが起こっています。
そのことより、HLA-A, B, C, DRB1が一致していても、DPB1がミスマッチになっている可能性が高いと考えられます。
重要なHLA遺伝子領域を同時にタイピングすることで、 HLAマッチ、ミスマッチやDSA(Donor Specific Antibody)の発見に役立ちます。